2017/01/05

ニューヨークで田舎暮らし

2011年の同時多発テロ直前にニューヨークに来てから、かれこれ15年。ずっとニューヨーク市内の喧騒の中で暮らしていましたが、昨夏、ニューヨーク郊外に引越し、長年の希望だった田舎暮らしをはじめました。

ニューヨーク郊外といっても色々な地域があるのですが、私が住んでいるのは、市内から電車で1時間半ほどの場所にある、湖の多い田舎町です。徒歩圏内には、湖と森と民家以外何もなく、車がなければ食糧の買い出しにも行けません。よって、歩いている人をほとんど見かけません。冬は雪が多く、町の清掃局が道を除雪するまでどこにも出掛けられません。不便ではありますが、その代わり大自然が楽しめます。

2015/11/02

10日間の座禅・瞑想コースに参加しました

先日、10日間の座禅・瞑想コースに参加してみたのですが、非常に良い経験でしたので、ご紹介したいと思います。

まず、参加した動機ですが、最近集中力が鈍ってきたように感じていたことと、ニューヨークはエネルギッシュであるがゆえにストレスフルな街でもあり、長く住んでいると心の疲労が溜まるので、簡単にできるストレス解消法を探していたためです。

ヨガやピラテスなどは以前からできる範囲でやっていましたが、体や心はすっきりするものの、何か物足りない感じがしていました。

自分で手軽できることはないかと探していたところ、近頃アメリカは“マインドフルネス”流行り。マインドフルネスとは、座禅や瞑想などにより集中力を高める仏教の思想・手法だそうで、グーグルからゴールドマンサックスまで多くの企業で取り入れられており、メディアでも度々その効果が論じられていました。

とりあえず瞑想をしてみようと、本やネットでやり方を勉強してやってみました。目を閉じて呼吸に集中したり、沸いてくる雑念を“観察”したり、書かれている通りにやってみるのですが、どうもピンと来ません。1ヶ月ほど、定期的に時間を取ってやってみたのですが、自分のやり方が正しいのか間違っているのか、効果があるのかないのか、よく分かりませんでした。

そこで、きちんと教わろうと思い、クラスを取ることにしました。

2015/08/05

CSRの投資対効果を考える

CSRは将来の環境や社会に対する長期的投資の側面が強いため、投資対効果(ROI)が出るのに時間がかかるうえ、研究開発やマーケティングと同様に数値化が難しい分野です。

にも関わらず、アメリカでは随分前からCSRのROI測定の必要性が議論されており、これまでに多くの企業や研究機関が検証しています。これら300以上の既存の論文と独自の調査をまとめた研究結果を、バブソン大学教授らが先日発表しました。

2015/06/11

カリフォルニアの水不足、その後の状況

前回の記事でカリフォルニアの水不足に対する企業の自主規制について紹介しましたが、記事が配信された当日、州知事が都市部の水使用量25%削減(2013年比)という厳しい節水規制を発表しました。

規制内容は、各自治体に対してこれまでの努力状況に応じて4~36%の削減目標を定め、今後9ヶ月で計120万エーカー・フィート(14億8千万㎥)の節水を実現するというものです。削減対象は主に、景観維持用の屋外利用の水です。

2015/04/16

既に始まっている気候変動:深刻な水不足に米企業はどう対処しているのか

国土が大きいアメリカでは、干ばつ、洪水、竜巻、ハリケーン、山火事、猛暑、厳寒、大雪と、地域により多種多様の異常気象が発生しており、その規模と頻度は増すばかりです(一週間にどれだけの災害報道があるか、ヤフーコラムに記載しています)。

中でもとりわけ深刻なのが、カリフォルニア州の干ばつです。同州では過去4年間、深刻な水不足が続いており、昨年から市民と水関連の事業者に対し、洗車や植物の水遣り制限、水使用量の報告強化等の緊急規制が課されています。今年に入り、飲食・ホテル等の事業者にも規制が課されることになりましたが、顧客から要求があった場合のみ水を提供する、タオルやベッドリネンを毎日替えない選択肢があることを目立つように表示するといった軽度の規制のみであり、製造業等への規制はありませんでした。


2015/03/31

環境・社会問題に対する企業の役割

先月のダボス会議で、「ビジネスは社会問題の解決をリードすべきか」と題したセッションがありました。

以前お伝えしたように、アメリカでは、社会便益を追及する新たな企業形態「ベネフィット・コーポレーション」が生まれ、多くの企業が株式会社から組織変更しています。この背景には、企業の存在意義を問う声、企業はどこまで環境・社会問題に責任を負うべきかという議論が増えていることがあります。ダボス会議のセッションでは、これに対する興味深い意見が提示されていたので、ご紹介したいと思います。

2015/02/01

サプライチェーンの透明性

アメリカでは、CSR情報の開示に関する政府の規制が徐々に増えてきています。

そのひとつに、2012年に施行されたカリフォルニア州サプライチェーン透明法があります。

同法は、同州で事業を行う、世界売上1億ドル以上の小売・製造業者に対し、サプライチェーンにおける人身売買や奴隷労働を排除する取組みを開示するよう求める法律です。

あくまで、同州事業者のみを対象とする州法に過ぎませんが、大企業の多くが同州で事業を行っているため、現在、当該情報を開示している企業は400社ほどにも上ります。

また、同法は排除を強制するものではなく、情報開示の要請に留まりますが、対策していないことへの批判を恐れる企業に対して牽制の役割を果たすため、実質的には抑制効果があると考えられます。

2014/12/15

社会的企業のための新たな企業形態「ベネフィット・コーポレーション」

営利企業でありながら社会的な便益も追及する、いわゆる社会的企業が世界的に増えています。アメリカではこうした情勢を反映し、いち早く法整備が行われています。

株式会社や有限責任会社(LLC)などに代わる新たな企業形態として、「ベネフィット・コーポレーション」という法人格を認める法案が次々可決され、多くの企業が組織変更を行っています。

アメリカでは州ごとに企業形態が定められていますが、現在ベネフィット・コーポレーションの設立・組織変更を認めている州は27に上り、さらに14州が法案可決に向けて動いています。

2014/09/05

言葉に惑わされない

海外在住者として私が感じる日米間の違いの中に、言葉の捉え方があります。

たとえば、一時期日本で「CSRからCSVへ」といった論調の記事をよく見かけました。

ご存知の通り、CSRは企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)であり、CSVはマイケル・ポーター教授が提唱した、共通価値の創造(Creating Shared Value)のことです。

詳細は教授の論文やメディアの記事を見て頂ければと思いますが、ざっくりと言えば、ポーター教授の主張は、社会活動を責任と捉えるのではなく、機会として事業に取り入れ、社会問題を解決しながら企業利益を生む、つまり、企業価値と社会価値を共存させる、ということです。

素晴らしい概念ではありますが、アメリカでは、似たような意味を持つ言葉として「トリプル・ボトムライン(社会(People)・環境(Planet)・財務(Profit)のすべてで利益を生む)」や「自然資本主義(自然資本と人的資本を資本主義に取り入れる)」などがありますし、CSRは事業と無関係の慈善活動のみとは捉えられていないため、CSVという用語が特別注目されることはありませんでした。

2014/07/03

ドラッグクイーンから学ぶ「憎しみを捨てる」

先週末、全米各地でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)差別反対イベントが開催されました。

そのひとつ、シアトルのイベントで、突如アンチゲイのプラカードを持って現れた(キリスト教系)団体に対し、ドラッグクイーンが説教した動画が話題になっています(Huffington Post)。


「あなたちの本(=聖書)を読んで、そこに書かれている神の言葉に本当の意味で従い、援助と愛について学んだらどう?」

「憎しみを捨てなさい。悲しい人間ね。憎しみを捨てれば幸せが見つかるわよ。心を開くことを学べば、私たちはあなたたちを喜んで受け入れるわ。」

2014/03/06

NYタイムズがラーメンの食べ方講座を掲載

ラーメン流行りのニューヨーク。
ニューヨークタイムズが、ラーメンの食べ方(NG集付)を画像付で紹介していました。
サステイナブルとは全く関係ありませんが、おもしろかったので、ご紹介します。

<アイバンラーメン(東京にも店舗あり)のアイバンさんが伝授:ラーメンの食べ方>

1.出されたらすぐ食べる。冷めるまで待ってはダメ。
2.まずは箸で麺を少し取ってレンゲにのせる。
3.食べる際には必ず音を立てて麺をすすりましょう。麺と一緒に空気を吸い込むと麺が冷めます。
4.スープを一口飲み、塩やしょうゆ、魚、豚肉、鶏肉の風味を味わいます。

2014/02/13

カナダの研究者チーム、マンモグラフィーの効果に疑問符

カナダの研究者チームが、25年間にわたり4059歳の約9万人の女性を対象に調査を行った結果、マンモグラフィーを受けた人と受けなかった人の乳がんによる死亡率は変わらなかったと発表しました。
さらに、マンモグラフィーを受けた人のうち424人にひとりが過剰診断、つまり、不必要な手術や治療が行われていたことも発表されました(The British Medical Journal)

日本ではこのニュースはあまり報じられていないようですが、アメリカでは主要メディアのほとんどが取り上げており、話題になっています(NYタイムズCNNNBC)

というのも、アメリカでは、マンモグラフィーへの過度な依存を疑問視する声が以前から囁かれていたからです。

2014/01/17

企業の透明性

よく行くメキシカン・スローファストフードのチポレ
オフィスの近くに店ができたので行ってみると、店内にこんな貼紙がありました。


「お知らせ:供給不足のため、現在この店では”Conventional(従来の方法)”で飼育された牛のステーキ肉を提供しています。できる限り早く、”Unconventional(従来通りではない方法)”で飼育した牛の肉に戻す予定です。」

”Conventional”は、直訳すると”通常の”や”従来型の”という意味ですが、一般的に”オーガニック”の反意語として使われる用語で、農薬や殺虫剤を使って栽培した野菜などに使われます。

このお知らせでは肉のことを指しているので、

2013/11/22

「買わないで」から「たくさん買って」に態度急変。迷走し始めたパタゴニア

環境先進企業として知られる、アウトドア・アパレルのパタゴニア。

一昨年の年末商戦では、不要な消費を抑えるため、自社の製品を「買わないで」と主張する新聞広告を出したほどです。その広告には、モノを生産するには大きな環境コストがかかることを知ってほしい、それはパタゴニアの製品だって同じこと、だからモノを買う前に必要かどうか考えて欲しいと記されていました (パタゴニアがサイバーマンデーに送付したメルマガの内容)

メディアや消費者はこの広告を大絶賛し、パタゴニアの人気は急上昇。皮肉なことに、「買わないで」と訴えた同社の売上は、その後1年で前年比30%増加しました。

その後も、「責任ある経済」キャンペーンを展開するなど、経済成長を前提とする資本主義を変えていこう、と主張してきた同社。

ところが、本日届いた同社のメルマガには、「3つ以上買うと20%引&送料無料」の文字が。

2013/11/07

石鹸シャンプー後日談

以前記載した石鹸シャンプーの記事(石鹸シャンプーを始めました)を今でも読んで下さる方が多いようなので、後日談をお伝えしようと思います。

以前お伝えしたように、最初はドクター・ブロナーのリキッド・ソープとシトラス・コンディショニング・ヘアリンスを使用していましたが、リンスの方は、水で薄めなければならないことが面倒で、2本ほど使用した後にやめました。
同じように感じた方が多かったのか、ちょうどその頃にホールフーズでも取扱がなくなり、ネットでオーダーするのが面倒だったということもあります。

その後は、シャンプーのみでリンスはしていませんが、何ら問題ありません。
髪が長いので、シャンプー後にいきなりブラシで梳かすとさすがに引っかかりますが、ある程度乾いてから手でざっと梳かし、その後にブラッシングすれば問題ありません。
使い始めの頃は、シャンプーをする前に髪を濡らした状態でブラッシングしていましたが、非常に時間がかかるうえ、切れ毛が多いように感じたのでやめました。

2013/09/25

パタゴニアの新広告、失敗の理由

ニューヨークコレクション真っ只中の910日、アウトドアアパレルのパタゴニアが、ニューヨークタイムズ紙に「新品よりも良い(Better than New)」という全面広告を掲載しました。

広告には、1994年から着続けられているというボロボロのサーフショーツの写真と共に、次のようなメッセージが書かれていました。

「ファッションウィークでは、新しいデザインに関心が向けられます。
私たちはもっと良いこと、すなわち「長持ちする」ことに注目したいと思います。
パタゴニアは製品の品質と機能性に自信を持っていますが、新たに製品を作ろうとすれば(他の人が作るものもすべてですが)、必ず自然界に負荷をかけることになります。そして、かけた負荷をどうやって取り戻せるのか、私たちは十分に理解していません。

そこでパタゴニアは、新しい製品だけでなく、古い製品にも注目することにしました。

2013/07/24

原発被災地訪問の記録

日本出張中、以前働いていた会社が主催する、震災復興・社内ボランティアプログラムにOGとして参加させて頂き、津波被災にあった宮城の名取市と福島の相馬市、そして原発被災地である南相馬市、浪江町を訪問しました。

その様子を共有したいと思います。

ゆりあげ港朝市


仙台駅近くのホテルからバスに乗り、最初に訪れたのは、宮城県名取市閖上のゆりあげ港朝市
津波被災で漁港はすべて流されましたが、30年前から続く朝市を復興させようと、今年から仮設店舗で再開。
魚介類から練り物、乾物、肉や中華料理まで、幅広いジャンルの食品を揃えており、市場内は大混雑。既に近隣住民の週末朝の定番となっている様子。
購入した採れたての魚介類をその場で炭火で焼いて食べられるコーナーもあり、楽しめます。

この地域では、高台に住みたいという住民の希望により、数メートルの盛り土をしてその上に家屋を建てる計画が進行しているそうですが、町全体を高台にするのにいったい何年かかるのか、盛り土した地盤の強度に問題はないのか、詳細は確定しないまま。
阪神大震災後に急いで建てられた住居が、住みにくさゆえ現在なかなか借り手がつかないそうで、その教訓を活かし、たとえ一年遅れても、綿密な計画の後に開発に着手すべきではとのご意見も。

2013/07/09

「サスティナブルシティ ニューヨーク 持続可能な社会へ」出版しました


先日お知らせしました本、書店やネットでの販売が開始されたようです。

ご興味お持ち頂けましたら、お手にとって頂けますと幸いです。

「サスティナブルシティ ニューヨーク 持続可能な社会へ」
繊研新聞社 田中めぐみ

世界有数の大都市ニューヨーク。
そこに暮らす人々や企業、政府が、
持続可能な社会を目指して奮闘する様子を描いた本。

ニューヨークのサステイナブルな取り組みのみならず、
エコかっこいいネイバーフッドと言われるブルックリンの裏の顔、
空中庭園ハイラインができるまでの知らざれるストーリー、
アメリカ原子力発電の実態など
ニューヨークやアメリカの意外な一面、

2013/06/20

本を出版します

7月に以下の本を上梓致します。

「サスティナブルシティ ニューヨーク:持続可能な社会へ」(繊研新聞社)

ニューヨークがサステナブルな都市に向けて邁進する様子を、市のサステイナブル政策から人々の生活スタイルまでさまざまな視点で捉え、読み物スタイルで記しました。

ニューヨークをイメージしながら楽しく読んで頂き、サステイナビリティについてあまりご存知ない方でも、読み終えたときに、いつの間にか、環境・社会問題に関して網羅的な知識が身についていた、というような本になることを目指して作りました。

ニューヨークが好きな方、行ってみたい方、都市政策やサステナビリティにご興味のある方、いろいろな方にお読み頂けると嬉しく思います。

少し、製作秘話をお話すると・・・

2013/06/12

コカコーラ社の肥満防止キャンペーンから考察する、持続可能社会における企業のあり方

今年の初めから、コカコーラ社が、肥満防止キャンペーン「カミング・トゥギャザー」を展開しています。
缶コーラ一本分のカロリーを消費するにはたったこれだけの運動で済みます、カロリーが気になる人は同社の"ダイエット"製品や水など低・ノーカロリー製品、ミニサイズの製品を飲みましょう、といった広告です。

さらに5月には、このキャンペーンを世界展開し、12歳以下の子供向け広告を全世界で禁止することを発表。
同時期には、傘下のコカコーラ財団が、本社のあるジョージア州の複数の非営利団体に対し、州民の運動を促す活動のためにと38億ドルを寄付しています。(Coca Cola)

ここまで読んで、だから何?と思った方もいらっしゃるかもしれません。

コカコーラが肥満防止キャンペーンを行うというのは、タバコメーカーが禁煙キャンペーンを展開するようなもので、アメリカ人にとって非常に違和感を感じることなのです。

日本に在住の方にお伝えすると、多くの場合、信じて頂けないか、軽く流されるのですが、