2012/12/04

人の力



昨晩、UKのアイドルグループ、One Directionのライブに行ってきました。
御縁あってご招待頂き、興味本位で伺ったのですが、キッズの迫力に圧倒されました。
憧れの人に会えるというのは、ものすごい感動を生み出すのでしょうね。
本人を間近に見ることができ、泣いている子もいました。

会場はとにかくすさまじい歓声。ライブ中は耳栓をして丁度良い感じでした。
小学低学年くらいの小さな子も、鼓膜の保護のためにヘッドフォンや耳栓をしていました。
動力もすごく、観客のティーンたちが飛び跳ねたり踊ったり、会場全体がズシズシ揺れていました。

ライブ中、この音と動力を電力に変えられたらと考えていました。
クラブのフロアを発電に利用するサービスを提供する企業もありますが(Sustainable Dance Club)、まだマーケティング用途の利用でしかないようです。
人に感動を与えるのがエンタテイメント業界の使命だと思いますが、人の動力をエネルギーに変えることをもうひとつの使命として考えるようになれば、社会が良い方向に変わっていくのではないかと思います。

以上、雑感でした。

2012/09/10

ポートランドとサステナビリティ


先日ポートランドに出張に行く機会がありました。
サステナブルな都市として有名なので、楽しみにしていました。

実際行ってみると、本当に非常にサステナブルな街でした。
アメリカの都市では珍しく公共交通が発達しているうえ、市が自転車利用を促進しているため、中心部では車の必要性を感じず、自転車や歩いている人も非常に多く見受けられました(歩いている人が珍しいというアメリカの環境自体が問題でもありますが)。
食事は何を食べてもおいしく、ローカル&オーガニック食材にこだわっているレストランが多く、ファーマーズマーケットも充実し、人々のサステナビリティに対する意識が非常に高い。
至るところに雨水取水設備があり、街は清潔で安全、警察がなんだかのんびりしている。
そのうえ、人々はおしゃれで、街の雰囲気もスタイリッシュ。
かっこよくサステナビリティを実践する、理想郷のような都市でした。

しかし、よく見てみると、それはとても表層的な理想郷でした。

2012/07/12

プーマの環境志向

プーマのヨッヘン・ザイツ会長が、フィナンシャルタイムズ紙のインタビューで、将来的に革製品を扱わない可能性に言及しています(FT)。
具体的な発言は、次のとおり。

「いずれは革に代わる素材を見つけないとならないだろう。それについて疑問の余地はない。」
「我々皆で、肉の消費量を減らしていかなければならないし、革についても同じことだ。それが現実だ。」
「牛肉がCO2排出量増加に加担していることは、誰もが知っている。」
「ばかばかしいと思われるかもしれないが、革に似た合成素材で製品を作る経済的な方法はあるだろう。」

2012/06/21

震災被災地の現状

先月、2年ぶりに1ヶ月間、日本に出張に行きました。

滞在中にご縁があって、岩手県大槌町への震災復興ボランティアツアーに参加させて頂きましたので、所感を記しておきたいと思います。

正直なところ、海外在住の私にとっては、震災に関しては原発のことしか頭にありませんでした。
しかし、現地を訪れ、改めて津波被害がいかに甚大であったかを思い知らされました。
当時の映像を何度も見て被害の大きさは認識してはいたはずなのですが、アメリカで報道されることの多いハイチ地震やカトリーナ被害などと比べると、日本は人々の意識が高く裕福な国なのだから、お金で解決し得ない原発はともかく、津波被害の復興は進んでいるのだろうと思っていました。




ところが、1年以上経った現在でも、基礎部のみが残る海岸沿いの住宅跡地、津波の爪痕が色濃く残る建造物、そして、被災地の方々が復興に向けて必死に取り組み、精神的な傷と戦っておられる姿を目の当たりにし、自分の認識の甘さを痛感しました。

2012/04/23

フォーチュン・グリーンカンファレンスのレポート

先週初め、3日間にわたり、フォーチュン社主催のグリーンカンファレンスが開催されました。
同誌がグリーンカンファレンスを開催するのは今年で4回目。
多くの大手企業CEOが参加するハイクラスのカンファレンスです。

ウォルマート、コカコーラ、グーグル、フォード、ジップカー、ストーニーフィールド、UPS、スプリント、シーメンス、GE、リサイクルバンク、カーギル、ダウ、シティグループ、クレジットスイス、マッキンゼーなど企業経営陣、ハーバード、イェール、UCLAなどの大学教授、環境NGOのナショナル・ディフェンス・ファンドやネイチャーコンサーバンシー代表、政治関係者など、多彩な顔ぶれでした。

テーマは、エネルギー、交通、食、企業経営など様々。
「フラッキングがすべてを変えるのか」「グリーンマネーを追え」「21世紀の交通」「電気自動車がマス市場に登場するのはいつか」「サステナビリティの限界を超える」「欠乏の時代のリーダーシップ」「アメリカ人にグリーンを考えさせる方法」「自然の価値とは何か」「メディアがゲームの流れを変えるか」など、さすが雑誌社主催のカンファレンス、タイトル設定が上手いです。

2012/03/22

H&M、ノニルフェノールの出所が判明したことを公表

昨年、グリーンピースが発行した報告書「ダーティーランドリー」にて、大手アパレル各社の多くの製品から内分泌かく乱物質とされるノニルフェノール(NPE)が検出されたことが発表され、それを受けて、プーマ、ナイキ、アディダス、H&Mなど大手アパレル各社がNPEを含む有害物質の使用禁止を表明しました(NYGF)。

その後日談として、先日、H&MがNPEの出所が判明したことを発表しました。 

2012/03/20

新リアリティTV「ファッションスター」から学ぶこと

サステナビリティとはあまり関係ないのですが、ビジネス的に興味深い事柄がありましたので、ご紹介したいと思います。

先週から始まった、サックス、メイシーズ、H&Mの3社がコラボする、NBC局の新ファッションリアリティTV「ファッションスター」。

デザイナー発掘番組という点では先駆けの「プロジェクトランウェイ」と似ていますが、ショー的要素が強い点で「アメリカンアイドル」などと類似、より深くビジネスが絡んでいる点でテレビショッピングと似ています。

番組では、全米各地から集まった14人の無名デザイナーが毎週服をデザインし、ダンサー達が踊る華やかなランウェイでプロのモデルによりファッションショー形式で見せ、3社のバイヤーが欲しいアイテムを入札します。
落札された商品は、番組終了直後から各店のウエブサイトで、翌日から店頭で販売されます。

落札されたデザイナーは翌週以降も番組に参加でき、誰からも入札されなかったデザイナーのうち毎週1名が失格となります。
最後まで勝ち抜いた1名のデザイナーは、600万ドル分の賞金(受注)を獲得し、3社用にカプセルコレクションをデザインします。

2012/03/17

図書館でキンドル本を借りてみました

昨年末に、ニューヨーク市の図書館でキンドル本の貸し出しが開始されたので、利用してみました。
キンドル以外のフォーマットの電子書籍はそれ以前から貸し出されていたのですが、アマゾンは半年ほど遅れてようやく参入しました。

結論から言うと、タイトル数はまだ少ないですが、貸出手続きは簡単で、読む分にはアマゾンで購入したキンドル本と全く変わりなく、今後も利用したいと思いました。

貸し出し手順は以下の通りです。

2012/02/17

エコブランド、ハウィ―ズのブランド買い戻しに学ぶ、企業の価値

年初に、イギリスのエコブランド、ハウィーズが、VFコーポレーションから自社ブランドを買い戻したことが発表されました。
同ブランドは、2006年にティンバーランドに買収され、昨年VFがティンバーランドを買収したことによりVF傘下となりました。
そして今年1月、同社ブログで以下のように発表しました。

「自分の足で立つ
1月1日付で、ハウィーズは再び小さくなりました。
2006年にティンバーランドに買収された時、私たちは20億ドル企業のほんの小さな一部となりました。そしてそれは容易なことではありませんでした。
昨年9月にVFがティンバーランドを買収し、私たちは100億ドル企業の極めて小さな一部となりました。
そして、誰もが大きな財務危機と闘っている最中、ハウィーズの経営チームは静かにビジネスを買い戻しました。
VFには、私たちが再び小さくなる機会を与えてくれたことに感謝しています。
小さくなったことは、大きな意味があるでしょう。」
(Howie's blogより)

2012/02/13

野菜の盗難

先日、コミュニティガーデンで育てていた冬野菜の大半を、盗まれてしまいました。
直径50cmほどに育った大株の水菜、大根、カブなど・・・たかが野菜とはいえ、3ヵ月大切に育て大きく成長した野菜を盗まれたのは、悲しいことです。

ガーデンは、高さ3mほどの鉄柵で囲まれ、入り口は会員のみが開けられる鍵がかかっているので、通常は外部の人は入ることができません。
但し、コミュニティガーデンでは夏は週20時間以上一般に開放しなければならないという規則があり、私が所属するガーデンでも、夏の週末日中は会員でない人も自由に出入りし見学できるよう一般開放しています。
今回のできごとは一般開放を行っていない冬に起こったので、会員の方なのかもしれません。
私は自然農法を実践しているため、草が生えていて管理されていないように見えるようなので(ニューヨークで家庭菜園)、勝手に育った野菜だからとってもいいと思われたのかもしれません。

実は、コミュニティガーデンの野菜の盗難は、昨夏からニューヨークで大きな話題になっていました。

2012/01/22

ワシントンモニュメント補修に750万ドルを寄付したビリオネイヤから学ぶこと

昨年夏に米東部で起こった地震により、ワシントンDCのランドマークである、ワシントンモニュメントが大きな被害を受けました。
無期限の立ち入り禁止となり、被害状況調査が進められていましたが、内外部にかなりの破損があることが判明。
修復工事の予算確保に困窮していたところ、地元ビリオネイヤが750万ドルの寄付を表明したことが、話題になりました。

寄付を申し出たのは、投資会社オーナーのデービッド・ルーベンスタイン氏。
資産額27億ドルとされる同氏は(Forbes)、これまでにも、ホワイトハウス歴史協会に1,000万ドル、歴史資産保護に1,350万ドル、地元動物園に450万ドルと、地元団体に多額の寄付をしています。
今回の寄付に関するプレス発表が行われましたが、ルーベンスタイン氏は次のように述べています。

2012/01/02

NYニューイヤー・マラソンイベント「ミッドナイトラン」

あけましておめでとうございます。

ニューヨークのニューイヤーイベントとしては、タイムズスクエアのカウントダウンが有名ですが、 私は今年もマラソンイベント「ミッドナイトラン」で年越ししました。


1月1日0時にスタートし、真夜中にセントラルパーク内を4マイル(約6.4km)走ります。
なぜ年明け早々真夜中からマラソン?と思いきや、これがなかなか面白いのです。
ニューヨーク・ロードランナーズ(NYRR)主催の公式大会ですが、レースではなくファン・ランなので、スタートと同時に花火が上がり、2マイル地点ではノンアルコール・シャンパンの「給水所」があり、開始前にはコスチュームイベントがあり、仮装して走る人も多く、盛り上がります。
参加するためには事前登録と参加費用が必要ですが、沿道からたくさんの人が応援してくれますし、「ハッピーニューイヤー」の掛け声を受けながら人々とハイタッチしながら走る(私は歩きますが)のはなかなか爽快で、癖になります。