同ブランドは、2006年にティンバーランドに買収され、昨年VFがティンバーランドを買収したことによりVF傘下となりました。
そして今年1月、同社ブログで以下のように発表しました。
「自分の足で立つ
1月1日付で、ハウィーズは再び小さくなりました。
2006年にティンバーランドに買収された時、私たちは20億ドル企業のほんの小さな一部となりました。そしてそれは容易なことではありませんでした。
昨年9月にVFがティンバーランドを買収し、私たちは100億ドル企業の極めて小さな一部となりました。
そして、誰もが大きな財務危機と闘っている最中、ハウィーズの経営チームは静かにビジネスを買い戻しました。
VFには、私たちが再び小さくなる機会を与えてくれたことに感謝しています。
小さくなったことは、大きな意味があるでしょう。」
(Howie's blogより)
Insidemedia誌のインタビューに対し、ハウィーズ広報担当は次のように語っています。
「ティンバーランドの傘下に入るということは、彼らの基準やCSR方針に従わなければならず」「多くの書類作業に追われること」であった。「彼らの生産方法は素晴らしかった」が、「事業を買い戻したことで、今後は柔軟で素早い対応が可能になり、よりハウィーズらしい製品を開発できるようになる。」ただし、「VFとティンバーランドには、非常に厳しい時に助けてもらって感謝している。」
(Insidermedia)
ティンバーランドと同社の契約内容はわかりませんが、こうした発言を見る限り、ティンバーランド下では自分たちのやり方を通せず、大変な思いをしたであろうことが推察されます。
大企業には大企業の、小企業には小企業の役割があると、私は思います。
サステナビリティに関しては特に、小企業と大企業とでは方針や手法が異なります。
例えば、大企業では必須事項となる認証取得。
認証システムは大多数が準拠できることを主眼に置くため、例外が許されません。
認証規定以上にサステナブルな手法を採っていても、規定内の仕組みに合わせて格下げしなければならないことも出てきます。
例外を排除することで効率的に物事を進められる利点もありますが、多様性が奪われることで新たな問題が生じる可能性もあるでしょう。
自然界では、大小サイズの異なる無数の生物がそれぞれの役割を果たし、生態系のバランスを維持しています。
企業も同様に、様々な規模の企業が様々なスタイルで様々な事業を行うことでこそ、バランスが取れるはずです。
すべての企業が、毎期必ず前年同期よりも大きくならなければならないわけではありません。
20世紀型の金資本主義では、企業の成功は売上や利益の大きさで測られました。
未来型の自然資本主義では、企業の規模に関係なく、人や社会や自然界にどれだけ貢献したかで評価されるようになるでしょう。
人口・需要の増加や気候変動により資源が不足し始めれば、大きくすることだけを主眼にしてきた企業は立ち行かなくなるはずです。
一方ハウィーズは、自然資本主義的に見れば、小さくなったことで大きな「成長」を遂げたのでしょう。
そして今後は、持続可能な範囲で発展し、真摯にサステナビリティを追求することになるのだろうと思います。
ハウィーズが小企業に戻った勇気、そして、それを資金的に支えたであろう投資家の懐の深さを称え、同社を応援したいと思います。
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