2011/08/15

ウォーレン・バフェット氏、超高所得層への増税を支持

投資の神様とも言われるウォーレン・バフェット氏が、高所得者層への増税をすべきとの持論をニューヨーク・タイムズ紙の論説欄に掲載し(NY Times)、話題になっています。

同記事によると、バフェット氏が昨年支払った税金は700万ドル。
これは同氏の収入の17.4%(連邦税のみ)。

これに対し、彼の部下たちの税率は33-41%(平均36%)。
投資収益のみでみれば、税率は15%。

一方、低-中所得者層の税率も15-25%ですが、収入のほとんどが生活費に消える中での15%と、使い切れないほどの余剰資産がある中での15%では比較になりません。

1976-77年にはキャピタルゲインに対する課税は39.9%だったそうですが、ここまで税率が下がったのは、それによって得をする人が意図的に操作しているからにほかなりません。
高所得層の支持を得る政治家や”経済評論家”たちの減税支持の言い分は、”金持ちへの課税を減らすことで、経済が活性化し雇用を創出できる”というものですが、バフェット氏は、1980から2000年の間に増えた雇用数は4,000万人、一方税額が下がったそれ以降は雇用が減少し続けていることを挙げ、人は金儲けをするために投資をするのだから増税が投資を減らす要因にはならないとしています。

同氏は、収入100万ドル以上の高所得者層(2009年、236,883世帯、自身も含む)は配当・株式売買益を含めて増税すべき、収入1,000万ドル以上の超高所得者層(09年、8,274世帯)はそれ以上の増税をすべき、と主張しています。

2011/08/05

ニューヨークで家庭菜園
~コミュニティガーデン(市民農園)と食料自給~


今年5月から、自宅周辺のコミュニティガーデンで区画を借り、自然農法で野菜を育てています。
長い間、市内で野菜を栽培する方法を模索していましたが、ようやくこの5月、1年半前にキャンセル待ちリストに登録したコミュニティガーデンから空きが出たとの連絡を頂きました。
通常は2年程待つそうですので、運が良かったようです。
100スクエアフィート(9.29平方メートル)程度の小さなスペースですが、ニューヨーク市のように地価が高くビルが乱立する場所で、家庭菜園ができる機会は稀少です。

コミュニティガーデンとは、その名の通り市民菜園・農園のことです。
ニューヨーク市内だけで490も存在し(Green Thum NYCのレポート、PDFが開きます)、そのうち市の公園・レクリエーション部の管轄にあるものが290、それ以外は、ランドトラストや個人など所有形態はさまざまです。
市の管轄下にあるガーデンは、有志会員で構成される運営委員会の管理下で運営されており、会員は割り当てられた区画の管理、ガーデン内でのボランティア作業、会員規則の改訂や新規規則の導入などを行う定例会議への参加などが義務付けられています。
基本的に会員の自主運営で成り立っており、市の職員は、定例会議に時折参加しますが運営に参加することはありません。
会員になるための資格は特別なく、応募後、空きが出次第区画が割り当てられる形になります。
割り当てられる区画は、一般的に3x3メートル、6x6メートル程度が多く、一度割り当てられれば、規則に違反しない限り翌年以降も継続利用できます。
利用料は、各区画数十ドル程度のケースが多いようです。
これで、農具やウエブサイト・電話番号維持費などガーデン全体の運営経費を賄っています。
栽培する植物は食用の野菜や果物が奨励されているものの、規則に反しない限り何をどのように栽培するかは会員に任されているので、区画ごとにさまざまな植物がさまざまな方法で栽培されています。
多くのガーデンでは、化学肥料や農薬の使用は禁止されており、市内の65.4%のガーデンではコンポスト(堆肥化)システムが導入されています。